冬に咲く、桜

「長居する気ですか?」


パイプ椅子に腰をかけた先生に、あたしは嫌みたらしく言う。


「事情聴取だ。問題児」

「問題児じゃなく、欠陥児です」

「そういう言い方をするなよ。お前のこと産んで、ここまで育ててくれた親御さんが可哀想だ」


・・・わかってるよ。


「両親を責めてるわけじゃない。悪いのは、病気になったあたしだし」

「別に、お前も悪いわけじゃねぇよ。ただ、選ばれただけだ」


あたしは頼んでもなければ、望んでもいない。


「死にたい奴なんて、この世の中にはいっぱい居るじゃん」

「否定はしねぇよ。だけど、口にするな」

「ねぇ、なんで?なんであたしが、病気なんかに選ばれなきゃイケないの」


ただただ悔しくて、また涙が溢れた。