「綾瀬。やっと学校に来れたな」


何がそんなに嬉しいのか、担任は嬉しそうに言う。


「お前にとっては、初めての高校生活だろ?大いに楽しめよ」


そう言い、バシッと背中を叩かれる。

痛いんですけど・・・

別に、高校生活にこれっぽっちも期待なんてしていない。


「少し出遅れたが、すぐにクラスメイトとも馴染めるさ」


何の根拠があって、そんな自信満々なのかわからない。

それに、少しって・・・

結構出遅れてると思うんだけど、あたしの高校生活。

そんなことをイチ教師の担任に言ったところで、仕方のない話だ。

勝手に話し出す担任の話を、右から左へと聞き流す。

そして、やっと教室へと案内された。