「俺と同じだね♪何歳なの?」




っっ!!!!


嘘っ!
こんな男前に彼女がいないだなんて。


とりあえず心の中でガッツポーズ。


「17です。」


またまた一言しか返せない。


本当は聞きたいの!
あなたの年齢。



「俺より6個も年下なんだ。若いね♪」



まさかのまさかで年齢確認完了♪


もう少し話したいけど
今は仕事中…


「ごゆっくりどうぞ」


自分でも分かるくらい熱くなった顔でそう言ったわたしは、再び仕事に戻った。



この日は仕事がはかどるはかどる。


わたしは一人で舞い上がりながら、せっせと仕事をしたんだ。















気付けば、あのお客さんがカウンター席から消えていた。



それに気づいたのは
閉店30分前…




帰っちゃったんだ…



わたしはあの人が座ってたカウンターを見つめながら、一つため息を漏らした。



忙しかったから
いつ帰ったのかも分からなかったよ。




見届けたかったな。






その後、一気にやる気をなくしたわたしは、


閉店作業が苦でならなかった。















ようやくバイトを終えたのは、夜中の3時を回った頃だった。




「お疲れ様でした」



店を後にしたわたしはいつもの様に自転車にまたがり、家路を急いだ。





帰り道にいつも寄るコンビニに差し掛かったところで、わたしはふと自転車を止めた。

















ガラス越しに映ったあの人の姿…



運命の出会いがあるのなら…


わたしは今まさに、その時を迎えてるに違いない。







コンビニに用がないのにも関わらず、わたしは気づかない振りをしながら、その人の隣で雑誌を手にした。










「あっ!?」



わたしに気づいたさっきの客は驚いた顔。



「偶然ですね?」