カナリアをどこか知らない場所へ

〝あいつに相応しい世界〟に

堕とした

ティノ「…なぁ…ヒナ…起きてくれよ…」

抱きしめたまま軽く揺さぶる

血を流したまま目を覚ましてくれない

涙が自然とボロボロと出る

ーポタっー

ヒナの頰に涙が当たる

ヒナ「…ティ…ノ…?また…泣いて…いるん…ですか…?」

弱々しく目を開け

途切れ途切れに言う

ティノ「…!!ヒナ…!!待ってろ…

今すぐ治癒してみせる…!!」

意識があるのを確認すると

ヒナの心臓に手を当て淡い光をだす

けれど

一向に傷が塞がらない 血が止まらない

ティノ「…っ!!なんで…なんでなんだ!!」

諦めずに続ける

そんな俺を見てヒナは弱々しく笑いながら

ヒナ「…無理…ですよ……私は…この空間…に

無理矢理…入ってきた人…からの攻撃は…

絶対に…治らない…」

そう

森の精霊は不死ではない

そして相手は女神だった

そう簡単に治らない傷だった