「それで、今日の部活はどうだった?」
「うーん…やっぱりエースとしてはまだまだかな。
先輩たちには到底及ばない。」
遥はバスケ部で、引退した3年から直々にエースに任命された。
本人はそう言っているが、誰よりも頼りにされている。
試合でピンチのときは自然と遥にボールが集まるのがそれを物語っている。
「そっか。
でも、遥ならエースの才能がすぐ開花するんじゃない?」
「そうかなぁ…」
いまいちピンと来ていないみたいだ。
「そうだよ。」
「あ、ねぇ、そういえばさ、クジラって哺乳類って知ってた?」
「え、うそ、知らなかった。」
「でしょ?私も今日初めて知ってさ~」
「なわけないでしょ。
そんなの一般常識。」
「うそだー!」
遥とそんなしょうもない話をしながらご飯を食べていたときだった。


