「私は良い提案だと思うけど…」
「そう?」
次の日、私は藤山くんに告白されたことを、いち早く遥に報告した。
遥は私と違う意見を持っているみたいだ。
「だって、須藤くんと由奈って仲良いじゃん。
変にラブラブとかでもないしさ。
ほら、恋を忘れるには新たな恋っていうし!」
「でもやっぱり…」
「なんか煮え切らないね~」
それはそれ、これはこれって割りきることができたらいいんだけど…
どうしても、好きな人がいるのに他の人と付き合うっていうのはよくない気がしてしまう。
どうするのが正解で、何が最善なのか全く分からない。
「運命との糸とかが見れたら迷わないのに…」
「そうかな~?」
遥と運命について話していると、須藤がやってきた。
「おはよーっす。」
「あ、おはよー。」
「おはよう。」
いつものように元気よく挨拶をする須藤。
今日もパンを片手に持っている。
「また食べ歩き?お行儀が悪いよ。」
「ははっ、桜木お母さんみたいだな!」
「須藤くん、未来は私のお母さんだからね。」
「いやいや、俺のだから。」
「私のです~」
どうでも良い争いが始まってしまった。
でも、そんなしょうもない会話を見るのが楽しいんだけど。
「で、なんの話で盛り上がってたの?」
「須藤くんには分かんない話~」
「さては俺の悪口だな。」
「当たりっ!」
二人の会話は本当に面白い。
毎回毎回同じ事をやっている気がするけど、思わず笑ってしまう。
「桜木はツボが浅いよな~」
「確かに、こんなことで笑うってところで笑うもんね。」
「そう?本当に面白いから笑ってるんだけど…」
私はツボが浅かったんだ…


