「桜木さんが応援してるの見てたよ。」
「本当?ちょっと恥ずかしい。」
「安藤さんのこと本気で応援してて格好良かった。」
「照れるからやめて。」
褒められなれていない私にとっては、恥ずかしくてしょうがない。
それを紛らわすために水を何度も飲む。
「本当はもっと後で言おうとしてたんだけど…」
「え?」
藤山くんの言葉がよく聞こえなくて、聞き返す。
すると、藤山くんは真剣な顔で私を見ていた。
「俺と、付き合って欲しい。」
「…え?」
何を言っているのか頭がすぐに理解できなかった。
付き合う?どこに?付き合う?彼氏?…え?
ただ1つわかることは、藤山くんは冗談で言っているわけではないということ。
「…ごめんなさい。」
私は申し訳ないと思いながら告白を断った。
「理由を聞いても良い?」
藤山くんは振られると予想していたのか、それとも平気なふりをしているのか、顔色を全く変えなかった。
むしろ私の方が動揺してしまっている。


