「あ、まさかデートか！」
「…」
こいつ…人の気持ちも知らないで…
なんだか無性に腹が立ったので、思わず…
「うん、そう、デート。」
嘘をついてしまった。
「え…マジで…？」
須藤の顔が固まったのを私は見逃さなかった。
「なにその反応…失礼じゃない？」
「いや、だってお前彼氏…いたの？」
須藤が何故か動揺している。
これはどういう動揺なのか…少しだけ期待してしまう。
「いないよ。
彼氏はいなくてもデートくらいするの。」
彼氏がいないと言った瞬間、あからさまにホッとしていた。
「ま、お前に彼氏はまだ早いよな！」
「え、なに、お父さんなの？
言っとくけど、その気になれば彼氏くらいできるから。」
須藤の言い方にカチンときて、思わず喧嘩腰に言ってしまった。
