「……何で……いるの?」
「あ?いちゃ悪りィかよ」
「だって怒ってたんじゃ…」
「別に、あれはただの俺の八つ当たり」
そう言った琉聖の顔はどこか罰が悪そうで、私から視線を逸らしポケットへと片手を突っ込む。
「でも…出て行ったのかと思ってた…」
さっき確かに琉聖は倉庫の出入り口へと行ってしまったと思ってたのに…
「コンビニ行ってこれ買ってただけ」
持ち上げるようにして見せてきた袋は、すぐ近くにあるコンビニの袋。中身は…プリン?
「強く言い過ぎたと思って、お前に」
不器用に私へ差し出してくる袋。私はそれを受け取ると、琉聖の胸めがけて飛び込んだ。
私が突進した事により、ぐらりと揺れる琉聖の身体。
頭上からは「うぉっ、なんだよお前」なんて声が聞こえてくる。
私は琉聖の腰辺りに腕を回し、その服をギュッと握りしめると彼の胸に顔を埋めた。
「琉聖、私もう二度とあんな事しないよ…」
「…………」
「自分の事ばかりで、皆んなが心配するなんて少しも考えてもなかった…」
「…………」
「もう、心配かけないから……」
「…………」
「ごめんなさい」