「何で怒ってるの?」



琉聖を見上げそう問いかけるけれど、こっちに視線を向ける事すらしてくれない。




「ねぇ琉聖、無視しないで」




掴んでいた腕にギュっと力を込めれば、琉聖は切れ長な瞳を私に向けた。




「別に」




いや、どう考えても別にって顔してないし…別にって態度でもない。



どっからどうみても何かあるとしか思えないのだけれど。




「怒ってるじゃん!」




少し大きな声で言えば、琉聖はそんな私にやっぱり怒ったような表情を向けてくると




「怒ってねェって!!」




私よりもさらに大きな声で怒鳴る。




「何で怒鳴るのよ!」



「お前がしつけェからだろうが!」



「じゃあ何で怒ってるのか教えてよ!!」



怒鳴り合う私達を、周りにいたメンバー達は驚いたように見ているのが視界に入る。



琉聖だってイライラしているのかもしれないけど、理由もなく不機嫌な態度を取られてる私だってイライラする。




「お前が女って自覚がたりねェからだろうが!!」




今までに聞いた事がないくらいの琉聖の大きな声。




え……?
女って自覚…?




「自分が脆いって事自覚しろ!あんな男の戦いに入って来るとか馬鹿なんじゃねェの!!?」



ば…バカって…



「その怪我が取り返しのつかないような事になってたらどうするつもりだったんだよ!!」