そんな琉聖を無視するわけにもいかず「何?」と聞いてみせれば、チッとものすごい大きな舌打ちを返してくるだけで…




一体なんなのか…さっぱり分からない。




その後も気にせずお弁当を食べ始めたけれど、お弁当を食べている時も。佑衣に携帯ゲームを教えてもらっている時でさえ…琉聖に睨み続けられた。




いい加減限界に達した私は、琉聖がトイレに立った後うしろから着いて行き、琉聖が出て来るのをトイレの前で待つ。




何であんなに機嫌が悪いのか…
何度か話しかけたけれど、全くもって無視されている。



いや、無視というよりかは、明らかに見られているにもかかわらず、私の言葉にはスルーと言った方が正しいのか。




倉庫の端にあるトイレ



その男子トイレがガチャリと乱暴に扉が開いていく。




その隣で壁によりかかる私、それを見て驚いた表情になる琉聖だけど……またすぐに不機嫌そうな顔で私の横を通りすぎて行く。



やっぱり完全なる無視だ。




「琉聖」




名前を呼び通り過ぎようとしていた琉聖の左腕を無理矢理掴む。




琉聖はその私の行動にビックリしたのか、一瞬肩をピクリと揺らした後「あ?」と凄味のある声を出した。