梓は歴代最強の総長って颯が言ってた。



そう思うと、私のした事なんて足を引っ張っていたようなモノで……



迷惑だったのかもしれない。




うつむくと、手の甲にも絆創膏が貼ってあってそれを小さくさする。




「でも、感謝してる」



「………え?…」



「お前が助けようとしてくれて」



「…………」




「正直、嬉しかった」





下げていた顔を上げ、バッと梓の顔を見てみれば…普段無表情な梓だけど、少し困ったようにしながらもその表情は少しだけ笑ってくれていて…



胸の奥がギュウっとした感覚になる。




「巻き込んで悪かった」梓がそう言葉を続けようとしたところでガチャリと音がし、先程梓が入ってきた扉が再びゆっくりと開くのか視界の隅に入る。




「あっ、莉愛ちゃん起きたんだね。良かった」




「…悠真」





入って来たのは悠真。

見たこともないほど眉を垂れ下げ、よほど心配してくれたんだろう。ベッドへと駆け寄るとしゃがみこんで私を見上げる。




「身体 大丈夫?ツラくない?」



「少し痛いだけ、大丈夫だよ」



「本当にごめんね、莉愛ちゃんにこんな思いさせるなんて」




「本当に大丈夫。それに飛び出して行った私が悪いし」