「ねぇ、良いよね?」




もちろん佑衣がそう聞くのは、興味がなさそうに目を閉じ腕を組んでいる梓。




寝てるのか…起きてるのか…





それさえ分からない。




しばらくしても、なかなか梓の返事は返って来なくて、やっぱり寝てるのかと思った時





ブーブーっとスマホのバイブレーションの音が部屋中に響き渡り、それを聞いた瞬間目を開けた梓が、ゆっくりと立ち上がると「好きにしろ」と言って部屋から出て行く。





「………起きてたんだ…」





梓はスマホが鳴ると、こうやって何処かへと出かけて行く時がたまにある。





それは何でなのか分からない…





だけれど、他の皆んなが何も聞かない所を見ると、それは以前からの事なのかもしれない。





「莉愛、やったな!!」




楽しそうに笑った佑衣はとても嬉しそうで、私も嬉しくなった。





だって、自分の文化祭なんて特に思い出も何にもない。もちろん他校の文化祭に行くなんて友達のいない私には初めてづくしで、正直今から楽しみで仕方なかったりする。