あれ以来、梓とは良く話すようになった。




良く話すと言っても、元々口数の少ない梓だから…そんな長い会話をしたりする事なんて無いんだけれど。





それでも以前よりは話すようになったと思う。




「そういえば琉聖達の学校の文化祭もうすぐだよね?」




「あーそうだな、後二週間後くらいじゃねェの」




佑衣が私の横でお菓子を頬張りながら思い出したかのようにそんな話をしだす。




それにしても琉聖…二週間後くらいって…自分の学校の文化祭なのになんて曖昧な…




「何やんのー?」



「たしか、タコ焼き屋だった気すんな」




琉聖がタコ焼きを焼いてる姿があまり想像出来なくて、思わずブッと陰で小さく笑ってしまう。




でもそれがどうやら琉聖にはバレていたらしくて…




「おい莉愛てめェ、何笑ってんだよ」




眉間にシワをよせ、対して怒っている様子でも無いのにワザとらしく声を低くしてくる。




「だって、琉聖がタコ焼き屋って何か可笑しくて」




くくくっと喉を鳴らすように笑って見せれば佑衣が隣で「確かに〜」と楽しそうにゲラゲラと笑う。




「別に俺が作るんじゃねェから!まぁ俺が店の前にいるだけで大繁盛だろうけど」





確かに…それは何か納得かも。
自分で言うのはどうかと思うけれど、琉聖の顔はかなり整っていて…ヤンチャそうな顔付きに金のメッシュがよく似合っている。




一緒に街なんかを歩いていても、周りからかなり注目を浴びているのは確かで…やっぱり彼らはモテるんだと思ったくらいだ。