しばらくしても、そんな梓をジッと見ていたと思う。




少しして、笑いを止めた梓は私を無理矢理脱衣所に押し込むと「ちゃんと温まれよ」と言って扉を閉めた。




それにやっと意識を戻せば、胸の音が徐々に収まって行くのを感じる。




梓の笑顔って……なんていうか目に毒なのかもしれない…




だいぶ…心臓に悪い。






目の前の鏡を見上げて見れば、そこに映るのはほんのり頬の染まった自分。




慌ててお風呂場に入ると、梓がさっき寒いと言っていたのを思い出して急いで髪と体を洗うとお風呂場を後にした。





廊下に出てリビングへと続くドアを開ければ、梓がソファーに座っているのが見えて




横にいき「上がった」と言えば、梓はビックリしたようにこっちを見た後「早すぎだろ」と言ってフッと笑う。





それがまた、私の心臓の音を大きくさせる。






「そういえば、ドライヤーねェわ」





「うぅん、大丈夫。自然に乾くから」




梓は立ち上がりそっと濡れた私の髪に優しく触れると「ちゃんと拭けよ」と言って私の頭にポンっと一度手を乗せ…お風呂場へ行った。




「………っ」