最後まで心配そうに見つめる聖とは一年と二年で学年が違うため、いつも階段で別れる。
私は昔、聖の事を羨ましいと思っていた時期もあった。
間宮の家に必要とされて、誰からも大事にされて…頭も良くて優しくて…
何で私ばかりこんな目に合うんだろうって…何度も何度も思ってた。
だけど間宮家の中で聖だけはいつも私に優しくて、いつだって私を思ってくれていて…いつしかそんな気持ちは自然となくなった。
ずっと小さい時から私を大切にしてくれるのも、必要としてくれるのも聖だけ。
今だってそう、友達すら作る事の出来ない私に…聖は変わらず接してくれる。
きっと彼がいなかったら、私はどうなっていたんだろう。
こんな風に学校に行くことも、誰かと話すことさえ無かったかもしれない。
そのくらい、私にとっての聖は大切な存在なんだ。



