「俺達三人とも去年留年してるんだ」
そのまさかの発言に思わず言葉が出ない。
だって留年って…どうやったらするの…?
出席日数が足りないとか…?
でもそれって大体の先生が頑張って留年回避しようとしてくれるものだって聞いた事がある。
それとも馬鹿すぎて?馬鹿すぎて進級出来なかったの…?確かに、琉聖はそのパターンであり得そうだ。だけど悠真はお馬鹿には見えない…それに梓も…そうは見えない。
「だから俺達は二年だけど、本当は三年の年齢なんだ」
「何で留年したの?」
正直これを聞いても良いものかと迷った。
でも…仲良し三人が全員留年っていうのは明らかにシルバーナイト絡みの事としか思えなくて
「バイクが好きすぎて留年したんだよ」
「は?」
「だから、毎日バイク乗り回してたら出席日数足りなくてダブったんだって」
嘘……でしょ……
そのあまりにマヌケな理由に笑う事さえ出来ない。
というか…悠真がいながら何でそんな事に……
そう口にしようと思って悠真を視界に入れたけれど、その悠真の表情が少し困ったようにどこか遠くを見つめているような気がして、梓も目を閉じてソファーに座っているだけで…ノドまで出てきていた言葉はそのまま吐き出される事なく終わった。
本当はそんな馬鹿みたいな理由じゃないのかもしれない……
何か、悠真をあんな顔にさせるような…琉聖が嘘を言わないといけないような…梓が目を開けたくないような…そんな理由があるのかもしれない。
そう思うと、私はもうその言葉を口にする気にはなれなくて、一人ソファーに座り口をつぐんだ。



