その後、二人の言い合いは10分間にも及んだ。
そんな二人の喧嘩を止めたのは、意外にも静かに入ってきた梓の一言。
ゆっくりと梓の手によって開けられた扉は琉聖とは違い、静かに開かれそして閉じていく。
モメていた二人はそんな梓には気が付かず大声で言い合いを続けていて
「うるせェ」
対して大きな声ってわけでもない
声を張り上げて怒ったって訳でもない
だけどそんな梓の声はやけに部屋一体に低く響き、そして二人の言い合いをピタリと一瞬で止めてみせた。
わぁお、さすが。
やっぱり梓の一言には深く重みがあるように感じる。
この独特のオーラも、感じた事のない雰囲気も
全てが梓の持つ力なのかもしれない。



