「下の奴に用事あるから先に行ってて」と言われ、倉庫内にいるたくさんの男達に紛れていった悠真を見送り、一人でプレハブへと向かう。




普通の扉よりも少し重ためのドアを開くと、前回同様の風景が広がった。




「…………」




だけど一つだけ違う事がある。





「…………」





目の前にはチョコレート色の美味しそうなミルキー色の髪。




入り口付近で思わず足を止めた私と、それをパチクリと見つめてくる少年。





フワフワな髪にそれと同じ色の瞳。パッチリとした目元が印象的で…思わず可愛いと思ってしまう





少年の手にはドーナツが握られており、口の周りには食べカスが付いていて




「……誰?」




先に口を開いたのは少年の方。

小さく首を傾げて不思議そうに私を見つめている。




私はというと、そのキョトン顔の可愛いさに思わず胸がズキュンっと音を鳴らした。




「莉愛」




唖然としていたせいか、そんな単語じみた言葉しか出てこない…




「莉愛?」




そんな私に対して男の子はやっぱり不思議そうな顔をしたままだ。