元々、梓はベラベラと話しかけてくるようなタイプでは無かったし。避けているのは私だ…それなのに話しかけてかけてくれない事が悲しいと思っているなんて本当自分勝手で笑える。



「そうだ、皆んなのぶんもドーナッツ買ってきたの。一緒に食べない?」



テーブルに置かれた箱を手にしながら微笑む朱音さんに、小さく笑い返すけれど…私上手く笑えてるのかな……



「莉愛、外行こうぜ。机組み立てに」



隣に座っていた琉聖は、そう言いいきなり私の手を掴むとそのままグイッと引き上げて私を立たせる。



「え?机?何それ俺も行く!!」



そして、それに続いてゲームをしていた佑衣も顔を上げてゲームをテーブルに置いた。



「え?ちょっと琉聖!あの…朱音さんすみません…」



朱音さんと話してる途中っったのに、琉聖に早々と手を引かれるようにして歩き出すと、そのまま三人で部屋を出た。



「ちょっと琉聖!助けてくれたのは嬉しいけど、いきなり出て行くなんて私ちょっと嫌な感じにならなかった?」



「なんだよそれ。嫌な感じなんてあっちの方がよっぽどだろ」


「どういうこと?」


「梓が何も言わないのをいい事にお前の目の前で梓とベタベタしてんじゃねェか。そっちの方がよっぽど嫌な感じだろ」


「…それは、私の気持ちを知らないからだよ…」


「は?それまじで言ってんのか?あの女は気付いてる。お前の梓への気持ちに」


「……え?」


「分かっててあの態度をとってる」