「なるほど、じゃあさっきのはソレの一部ってわけか」


「シルバーナイト関連の傘下や知人達にも手を出しているようです」


「マジかよ。本当クソ汚ねェ事してきやがる連中だ」


急いでバイクのエンジンを切った琉聖は、私の手を引くと大股でプレハブ部屋へと向かう。



「ねぇ琉聖!悠真は大丈夫なの!?」


「あぁ、アイツなら心配ねぇよ。あんな爽やかフェイスしてるくせに実はウチで二番目にバイク馬鹿だからな」


「え、なにそれどう言う事?バイク馬鹿?バイク馬鹿だと大丈夫なの?」



しかも二番目って、じゃあ一番は誰?



琉聖に手を引かれたまま部屋にたどり着く直前、階段近くには何人ものメンバーが集まっていて何ごとかと目を凝らしてその場で思考が停止した。



だってその中心には、梓



……そして、あの朱音と呼ばれる女の子がいたから。



それに気がついたらしい琉聖も私の目の前でピタリと足を止める。



「…どうなってんだよ。何であの女が」