後ろからは数台のバイク音。
あきらかに悠真一つのモノじゃない。
それにさっき悠真は黒雅って言ってた……
もしかして、追われてるの?
琉聖の背中にかくれるようにして、スピードに振り落とされないようしっかりと身体にしがみ付く。
次第にバイク音は遠ざかっていき、見覚えのある道へと出た。
「もう大丈夫だ!すぐ倉庫にも着く」
「うん」
琉聖が言う通り、それから1分もしないうちに倉庫前へと着いていつも大きくオープンになっているガレージの扉は何故か今日は閉まっていて、横の小さな入り口からバイクのまま入って行く。
ゆっくりと走っていたバイクが完全に停車すると、琉聖はメットを早々と外して後ろを振り返った。
「大丈夫だったか?」
「うん、平気」
「クソ、何でアイツらいきなり追いかけて来やがった」
先にバイクから降りた琉聖が、私に手を差し伸べて下ろしてくれる。そしてメットを外して辺りを見渡した時、どこかいつもと違う倉庫内の異変に気が付いた。
バタバタと走り回る数人のメンバー。電話で話してる人も居ればバイクで忙しなく外へと出て行く人達もいる。
「おい、どうした!!何があった」
一番近くにいたメンバーへ琉聖がそう大きな声を出すと、
「黒雅です!!つい先程分散して街で暴れてると情報が入りました。怪我人も出てます!!」



