「何でいきなり買い物?」


「気分転換」


「倉庫に行かなくていいの?」


「俺にだってプライベートくらいある」


バイクへと早々に乗せられ、メットを被ると大きな音を上げてエンジンがかかる。



今まで学校帰りにそのまま何処かへ行く事なんてほとんどなかった。


必ず倉庫にいって、時間が空けばご飯を食べに行く程度で…だからその行動にはそれなりの理由があるんだと思っていたし、いくら行きたくないからと言って今だってその意見は変わらない。


「琉聖…私に気使ってくれてるの?大丈夫だよ…」



それに琉聖はシルバーナイトの幹部だ。
きっと放課後私に構っている場合じゃないかもしれない。



「別に使ってねェ。マジで買う物があんだよ」



「何を?」



「机」


「机?」



「佑衣が勉強するから、その机買いに行くんだよ」


「佑衣の勉強机?何で?」


「このままだと、本気で卒業出来ないらしいからお前が勉強教えんだよ」



そう言えば……この前梓が、そんな事言ってた。



「ん?今私が教えるって言った…?」