午前中の授業はあまり頭に入って来なかった。



机に座って、真っ白なノートを見ていると、昨日の事が鮮明込み上げてきたから。涙が落ちそうになるのを必死でこらえた。



お昼休みは偶然聖に会った。私の顔を見て思い切り眉を歪ませてきたけど、それ以上何かを言ってくる事はなくて、ただ聖の持っていた野菜ジュースのパックを手渡された。



多分、よほど不健康そうに見えたんだと思う。


放課後が憂鬱だった。
だって私は倉庫に行かないとならない。
梓と顔を合わせないとならない。
どうしたら良いのかも、これからの事も……何もまとまってないのに……。



放課後、言っていた通り琉聖がお迎えに来てくれた。


だけど、いつもの伊吹さんか運転してくれる車じゃなくて朝同様バイクにまたがっている。


憂鬱な気持ちのままそこに近づくと、私が持っていた鞄を琉聖は取り、後ろの座席に置かれていたメットを手渡してきた。



「何だよその顔、地獄にでも行くつもりか」


「…地獄って…もっとマシな言葉使ってよ」


「じゃあ、そんなお前に朗報だ。今から買い物に行く」


「買い物?」


「あぁ、現地で悠真と待ち合わせしてるから早く乗れよ」