その日、私は結局客間に泊めてもらった。


遅くまで琉聖とテレビを見て、何となくくだらない話をしたりしてた。



梓の話はしなかった。
そしてそれを琉聖が聞いてくる事も無かった。



朝目が覚めて、夜眠れなかったはずなのにいつのまにか寝ていたんだって気が付く。



ゆっくりと布団から起き上がり辺りを見渡すけれど、そこに時計はなくて、携帯も電源を切っているから時間が分からない。



そっと物音を立てないように部屋から出ると、シンッとした廊下を一人で歩いた。



二つ隣の部屋は琉聖の部屋だと昨日教えてもらったけど、中から音はしてこないからきっとまだ寝てるんだと思う。



一階へと繋がる木製の階段を下りると、そのままリビングの大きな扉を開く。