「うん、今起きた」



悠真がリビングに入って来たのと同時に見えた背後の人影。



思わずそのシルエットにビクッと身体を強張らせる。



だけど、それは私の想像していた人物ではなく



「こんにちは、久しぶり」



悠真の後ろにいたのは妹のひなのさんだった。



「…こんにちは」



ひなのさんはこの間会った時の制服とは違い私服のワンピースでとても可愛いらしい。さすが悠真の妹さんだ。



それに比べて私は…デニムスカートに琉聖が貸してくれたダボダボの上着。


目は腫れぼったくあまりよく開かない。
まさに最悪のコンディション。



それにしても、どうしてここに悠真とひなのさんが……?



ソファーの前でボーっと立ったっていると、軽く手を下にクイッと引かれ「ん…、お前いつ起きた」と下の方から琉聖の声が聞こえてきた。