もしかして…私がいるせいで電話に出ないとか?
人前で電話に出たがらない人っているし…
もしかしたら彼はそっち派の人なのかもしれない。
そう思い、部屋の外へ出た方が良いのかとゆっくりとソファーから立ち上がる。
ゆっくりと扉の取っ手を掴んでそれを捻ろうとした時…
「おい、どこに行く」
え…
今私に言った?
けど、車に乗っても部屋に入ってきてもスルーだったんだ。今さら話しかけてくるはずがない。
電話の相手と話してるのかもしれないと思い再び取っ手をひねった。
「聞いてんのか」
どうやら電話の相手じゃないらしい…
私に言っていた言葉らしい。
掴んでいたドアノブを離すと、私はそのまま声のする方へゆっくりと振り返る



