しばらくして、どこから情報が回ったのか黒雅と私達が一緒にいると聞きつけたシルバーナイトのメンバーが10人ほど駆け付けて来てくれた。



でもその頃には、すっかり相手は帰ってしまった後で……それにしても彼らの情報網の広さに驚く。



結局このまま街にいるわけにもいかず、倉庫に戻って来たんだけれど…未だかつて感じたことの無いほど気まずい雰囲気がプレハブ部屋の中を包んでいた。




「おい梓、お前黒雅のトップと知り合いだったのか」



そんな何とも言えない雰囲気を破ったのは、私の隣に座っていた琉聖。



その様子は怒っているというよりは、とても険しい表情をしていて…それに対し「あぁ」と、いつも通り梓が冷静に答える。



「あれが黒雅の総長か、初めてお目にかかったな」


「イメージとはかなり違ったね」




それと同様、やはり落ち着いて話し出す悠真もその隣の佑衣も、梓とあの漆黒の男が知り合いだったとは知らなかったらしく…何かを考え込むようにして口を閉ざした。