壁のコンクリートが覆う大きな倉庫
天井は高く、やけに広々として見えて
「なに…ここ…」
ポツリとそう呟いた。
カラフルな無数のバイクや車
何やら慌ただしく行き来する数人の男達
茶髪の男は私が下りるのを待っていたらしく、こっちへと手招きをしてくる。
「今はほとんど出払ってるから大丈夫だよ」
そう言われたけれど、正直言って何が出払ってるのかも…何が大丈夫なのかも良く分からない。
わかる事と言えば、ここは私が今まで生きてきた世界とはまるで違う場所だということ。
「階段気を付けてね」
「はい…」
いつのまにか引かれていた片手に引っ張られるようにして二階建てのプレハブらしき階段を上ると、そこには扉が一つだけ存在していて茶髪の男は躊躇することなくその扉を開けた。



