「あれ…君は」
男と話していた茶髪の男が、私を見るなりゆっくりと近付いてくる。
そしてそのまま目の前に座ると
「コイツを助けてくれたんだね、ありがとう」
「え…あ…」
助けたと言って良いものなのか、正直抱きしめていただけで特に何かをしたとは言えない。
どうやらこの男の子はこの人達の知り合いらしく「そいつ連れていくね」と言って私の膝から持ち上げると乱暴に抱きかかえた。
えっ!ちょっと!もう少し丁寧にしてあげなくて良いの…?
その証拠に、男の子からは「グッ」と痛そうな声が聞こえてきて
そんな私の心の声が聞こえたのか「こいつ丈夫だから大丈夫」なんて茶髪の男は爽やかに笑う。
「君も付いてきて」
え…付いてきてって…?
何で…?



