「……わかってるけど…分かってるけどどうしようも出来ないの…」
何でだろう…何でこの気持ちを無かった事に出来ないんだろう。
数週間前に戻るだけで良いのに。
少し前の自分に戻るだけでいいのに。
今にも泣き出したくなるような感情が私を支配して、泣かないようにと下唇を噛み締めると…そんな私を真剣に見つめていた琉聖が一瞬困ったように眉を下げた後
ギュッと私を少し乱暴に引き寄せた。
私の後頭部に片手を当てるようにして抱き寄せると琉聖の胸へと私の顔が包まれる。
温かい熱が私の身体を包んでそして溶けるようにジンワリと鼓動が届いた。
「俺にとって梓は大事なダチだ」
「…………」
「けど…今じゃお前も大事なヤツの一人なんだよ」
「…………」
「だからお前が傷付くって分かってて、無視は出来ねェだろ」
琉聖がそんな事を思ってくれていたなんて…
片手で乱暴に抱き寄せられた私の身体に回る琉聖の腕がさっきよりも強く私を包む。
「仕方ねェから、辛い時は相談くらいのってやるよ」
「…琉聖」



