Silver Night-シルバーナイト-




この時の琉聖は分かっていたのかもしれない。
この一週間私がちゃんと食事をしていなかった事。痩せてしまった事。




だからきっと心配してこんな事言っていたのかもしれない。




そう思うと、やっぱり琉聖って優しいと思った。見た目は思い切り不良だけど、面倒見が良くて優しい、そう思うと「ありがとう」と琉聖に聞こえないほどの小さな声でお礼を言った。



私がお手洗いに行っている間、お会計はどうやら琉聖が払っていてくれたらしくて、何度お金を払うと言っても決して受け取ってはくれなかった。



お店を出る時、私達二人に気が付いたらしい悠真のお母さんが「またおいで」と笑顔で言ってくれて、今度は皆んなで来たいと自然にそんな事が頭に浮かんで…でも



その時やっぱり梓の顔がふと浮かんできて、またあの時の映像が頭をよぎる…



ガラガラっと音を立てて琉聖が扉を開け外へ出たかと思うと、その拍子にコンクリートのデコボコにつまずいたのかぐらりと私の身体が揺れる。



「ギャッ!」とやけに可愛くない声が自分の口から出た瞬間「おい!危ねェ!」と言ってグイッと強く引かれた腕。




「ビックリしたー……」



身体全身で伝わる温かい体温、少しぎこちなく抱き寄せてくるその腕はしっかりとしていて…それがやけに彼を男だと意識させる。




「いや、それ俺のセリフだから」



私を抱き止めてくれた琉聖は、呆れたように溜息を吐き出しながら私の身体を優しく起こした。



「見て、ビックリしすぎて手震えてる」



よっぽど焦ったらしい私の手はプルプルと少し震えており、そして心臓は自分が太鼓にでもなったみたいに馬鹿みたいにドクンドクンと鳴っている。




「アホ」



そんな私を見て、ちょっぴり可笑しそうに笑う琉聖は、私の腰を支えるようにして抱きしめたまま、この震える手をギュッと握った。




「本当、私あほ……」




また思い出して……泣きそうになって…コケるとか……本当馬鹿。




馬鹿丸出し。