案内された席は木製の二人がけのテーブル。
来たことないはずなのに、何故か懐かしいような雰囲気を漂わせているこのお店に落ち着き感を覚える。
「ん」と言って琉聖に渡されたメニュー表には、家庭の味と言うべき代表のおかず達が沢山書かれていて、その中でも肉じゃが定食がやけに目に止まった。
「決まったか?」
「うん、肉じゃが食べたい」
メニュー表に書かれた肉じゃが定食の文字を指差して答えると、琉聖は軽く手を上げてさきほどの店員さんを呼ぶ。
「肉じゃが定食と生姜焼き定食」と琉聖が店員さんに告げると、店員さんは元気よく「かしこまりましたぁ」と声を出した。
「良くここ来るの?」
「あー、前は良く来てたけど最近はほぼ来てねェな」
「そうなんだ、なんか良いねこういうお店」
「まぁな」
料理が運ばれて来るまで、琉聖とたわいもない話をした。
さっき電話で話した事を聞いてくる事もない。
怒られるんじゃないかって気負いしていたけれど、そんな事もなくて…ただ本当にご飯に来ただけだったみたいだ。



