そう言って一方的に切られた電話の向こうからは、虚しいほどプープーと通話終了の音が聞こえてくる。
ていうか…何で琉聖私の家の前にいるの…?
もしかして、私が行かないって言うことを見越して怒りに来たとか……じゃないよね?そんなわけないよね…
とりあえず、パジャマであるタオル生地の半袖短パン姿の私は白いパーカーを羽織るとスニーカーを突っかけて玄関へと向かう。
長い長いエレベーターが1階で止まり、やけに軽快な音が鳴ると扉が開いていく。
それに合わせるようにしてエレベーターから降りると、ガラス越しでも分かる。マンションの玄関前に停められた一台のバイク、それと金メッシュ頭の後ろ姿。
ガラスの扉が自動で開き、五段ほどある階段を降りると
「琉聖」
バイクに寄りかかる姿が、何故かやけに似合って見える。
不覚にも少しばかりカッコイイなんて思ってしまった私だけど、もともとカッコイイ部類に入る顔面の琉聖。そんな彼の事を久々に見たからだと思う。
慣れってこわい。
「遅せェ」
電話が切れてなかなかすぐに出てきたつもりなのに、目の前の琉聖はさっきの電話同様何だか少し不機嫌そうだ。



