シルバーナイトに行かなくなって5日目の夜、
お風呂から上がると、ちょうどテーブルの上でスマホが鳴っているのが目に入った。
それに近づいて画面を覗き込むと、相手は琉聖。
しかも電話……
「何だろう、珍しい」なんて思いながらも、出なきゃ出ないで後でドヤされそうで…スマホをそっと手に取ると通話ボタンを押した。
「もしもし」
私以外誰もいない、このだだっ広い空間にやけに声が響き渡る。
最上階だからか、自分が物音を立てない限り雑音一つ入れないこの空間は少し寂しかったりするのだけれど、
それと対照的に琉聖の後ろからは車が通り過ぎていく音なんかがしてくる。
多分、外にいるんだろう……
「もしもし、琉聖?」
返答のない向こうへそう呼びかけると、返って来たのはまさかの「何だよ」という不機嫌そうな声。
いや、それは私の台詞だ。
そっちがかけてきたのに話し出さないし…挙げ句の果てに『何だよ』と来るとは…
「琉聖がかけてきたのに…」
『………』
何なんだ…本当に。
『…お前明日来るだろ?』
明日……?散々焦らされたあげく、琉聖の口から出てきたのはそんな予想外の言葉。
そうか、私は生徒会の手伝いが終わるまでシルバーナイトの倉庫には行かないつもりでいたけど、
だけど、いくら平日に予定があっても休日はやってくるわけで…明日は土曜日だ。
生徒会の仕事もなければ、倉庫へ行かない理由もない。
だけど、すっかりそんな事頭から抜けていたこの状況で…いきなり明日行くなんて気分にはなれないし、心の準備もしてなくて…
「あ、えっと…その…」
なんて歯切れの悪い言葉が口から漏れるだけ。



