「ねぇ、聖ってば」
聖の横まで小走りをしていき、グイっと腕を引っ張り覗き込んだ顔は…やっぱり少しだけ不機嫌そうで
まるで何かを考え込んでいるみたいに悩ましい顔付きをしている。
「莉愛は本当無防備だな」
「え?」
「何でもないよ、もう怒ってないから」
「もうって事はやっぱり怒ってたんじゃん」
「まぁね、少しだけ」
やっぱり怒っていたらしい聖だけど、その理由は分からなくて…もう怒ってないと言った彼はバツが悪そうに軽く笑うと「ごめんね」と言ってポンと優しく頭に手を置いた。
ただ、私を見つめて来る聖は、私が持っているスマホに一度だけ視線を向けると、小さくため息を吐き出して歩き始める。
「…心配が尽きないよ」
と小さく呟きながら……。



