「やべぇぞ!警察が来る!!」




私の大声に、一番手間にいた男が気が付いたのか周りの男達に叫ぶとそれに合わせで全員が走り出す。




一瞬でいい、一瞬で良いからその男の子を離して…



私は男達の走り去る背中を見ながら、すぐさま倒れている男の子に駆け寄りしゃがみ込んだ。




「大丈夫ですか?歩けますか!?」



ゆっくりと身体を起こすようにしてうつ伏せだった身体を持ち上げる。



早くしないとバレる…こんな嘘きっとすぐにバレる。



本当は警察なんて来ていない。私の嘘だ。




だけどバレる前にこの男の子を人がたくさんいる方の路まで連れていければ…きっと助かる。




「うっ」




私が腕を掴んだせいか、男の子は短く苦しそうな声を出した。




頬やおでこはアザで腫れ上がり、口からは血が滲み出ている。




「酷い怪我…」