「はいはい、そこまでね」





腕を引かれたかと思うと、私は美冬に肩を抱かれていた。





「恭哉もからかいすぎだぞ!」





遊君に止められた恭哉君は、心底不機嫌な様子であった。





「たっ、助かった~…」





フゥッと安堵の息を吐く。





「すっかり恵那たちのこと忘れてたわ」



「酷いよ美冬!私、もうすぐで恭哉君に…」





そこまで言いかけて身をプルプルとさせる。





美冬たちが助けてくれなかったら、どんなことになっていたのか。


…考えただけでも、恐ろしい。





「本当は途中で襲われてることに気づいてたんだけど、恵那が顔を真っ赤にさせてるのが可愛くて、つい見ちゃってた」