この時私はすっかり大事なことを忘れていた。





美冬が私に言ってくれたこと。





そう、遊くんが❛バカ❜であることを。





そしてご存知の通り、私も❛バカ❜なのだ。





せっかくの美冬の忠告を忘れ、遊君の案に易々と乗ってしまっていた。





「確かに友達になれば、変なことだってしないよね」


「そうそう!さっすが恵那ちゃん♪理解が早い!」


「へへへ~そうかな?遊君が天才なんだよ~!」





よくよく考えれば、この作戦がどんなに無謀なことかすぐ分かるのに。


どんなに危険で無意味なことなのか、冷静になって考えれば分かることなのに。





止めてくれる人はもう誰もいない。


おバカさん2人は、いい作戦が思いついたと、喜びあっている始末なのだ。





この場に美冬が居てくれたらと、何度後悔したってもう遅い。





「それじゃあ、今週の日曜日に作戦決行だ!」