今まで見たことがない恭哉君の笑った顔だった。





その笑顔の魔法にかかったように、私は自然と首を縦に振っていた。





「…恭哉君のこと、好きだ。…ばかっ」





小さく呟かれた言葉は、私の精一杯の告白だった。





そして気付いた時には、恭哉君に甘い口づけをされていた。





愛おしい気持ちが溢れるように、優しくて愛に満ちたキスだった。





まるで壊れ物を扱うかのような、繊細さを持ち合わせており、一瞬で恭哉君の唇に全てを包まれた気がした。





そして、ゆっくりと唇が離れる。





私たちはお互い目を合わせ、クスリと笑顔を零した。