よしっ…ちゃんと言えた。


ちゃんと隠さず言えたよ?





だからもう勘弁してくれないかな…っ。





恥ずかしすぎて、顔から火が出そうだし…


それに、恭哉君の顔、まともに見ることが出来ないよ…!





しかし、恭哉君の横顔を伺う限り、全く納得していない様子だった。





「大切ってどういうことだよ」


「だ、だから…大切は大切って意味でしょ…!」


「俺が恵那から聞きたかったのは、そんな言葉じゃないんだけど」


「へっ?」





そして次の瞬間、恭哉君に引き寄せられたかと思うと、目を瞑った綺麗な顔面が私の目の前にあった。





柔らかくふわふわとした感触が、唇より少し右側の頬に触れたのだ。





香水の香りをふわりと私に残したまま、ゆっくりと恭哉君は唇を離した。





えっ、いっ…今、キス…キスされた…!?