「恭哉君が私に触れる度、恥ずかしいような嬉しいような…こそばゆい気持ちでいっぱいだった。自分でも、どうしてこんな気持ちになるのか、全然分かんなかった」





…ううん、それは違うかも。





本当は私…


最初っからこの気持ちの正体に気づいてたんだよね。





気づいてて、あえて気づかないフリをした。


知らないフリをした。


見て見ぬフリをしていたんだ。





この気持ちに気づいてしまったところで、無意味だって思ったから。


どうすることも出来ないからって思ってたから。





「恭哉君…私は恭哉君といると、冷静じゃいられなくなる。顔が熱くなって恥ずかしくって、目も合わせられない。だけど、一緒に居られるだけで嬉しくて楽しくって、少しでも長く一緒にいたいって思うんだ」





恭哉君は私の話を、どういう思いで聞いてるんだろう。





いつもみたいにからかってくれるかな。


本気にしないで、笑ってくれないかな。





「…だから、私は恭哉君のこと…大切に思ってる、よ」