「気長に待つ必要ないと思うけど?」





「は?」





七井の言葉に疑問の声をあげる。





アホ面を浮かべる俺に続けて口を開く。





「女の子は推しに弱いのよ。だから、待つんじゃなくて、言わせるように仕向ければいいのよ」


「おおっー美冬すごい!言ってることはよく分かんないけど、それ俺もいいと思うぜ!」





…さっぱり分からん。


言ってる意味が分からんが、それを口にすると遊と同レベみたいな気がしてムカつくから、言わないけどさ。





「じゃ、私たちは先帰るから」


「またな恭哉♪」


「あっ…おいっ!」





頭を悩ませる俺を置き去りに、2人は教室を出て行ったのだった。





「あーもうっ…わけわかんねーよ」