###♡ KYOYA SIDE





「卑怯者って…」





そう呟いて小さく笑みを零した。





…ったく、せっかく人が待ってやってたっていうのに。


勝手に1人で帰りやがって。





あいつ、俺のこと好きだよな?


だったらもうちょっと可愛げあること言えないのかよ。





…まっ、そういうとこが恵那らしいんだけど。





恵那を追いかけようか迷っていると、聞き慣れた声が聞こえた。





「まー今のは確かに恭哉は卑怯者だよね♪」


「ちゃんとゲームしてあげればよかったのに」





声の先へ視線を向けると、そこにはうざい笑みを浮かべる遊と七井が立っていた。





「ゲッ…なんで、ここにいんだよ」





俺はあからさまに嫌そうな顔をする。





「べっつにー?たまたま部活が早く終わったから戻って来ただけだよ♪」


「そしたら恵那と恭哉君の会話が聞こえちゃってね」