そして、キスをされた自分の唇に触れる。





…さっきの唇の感触が全然消えない。





恭哉君の体温が私に流れ込んで、全身に甘い痺れを感じる感覚。





今でも鮮明に覚えている。





「初めてのキスだったのに…」





これ以上悔やんでも、もう取り返しのつかないことであったが、落ち込まずにはいられない。





そんな時、ふと、恭哉君の言葉が頭を過る。





❛俺のこと好きになれば?❜





…なによ、それ。





ばっかじゃないの。


恭哉君のことは、絶対好きにならない。





ううん、好きになりたくない。