「気になるんだったら、私じゃなくて恭哉君に聞いてみたら?」


「えーっ!絶対恭哉君教えてくれないよ~」





それから粘って聞こうとしてみたものの、なんやかんやで話をはぐらかされてしまい、話の続きを聞くことは出来なかった。





授業が始まっても、私は窓の外へと視線を向けボーっと考え事をしていた。





最近色んなことがあったよね。





そもそもの始まりは恭哉君との出会いからになるのかな。





偶然にも恭哉君の家に行くことになって、そこでファーストキスを奪われて。





最初は最低な人だって思ってたけど、一緒に遊んだり、助けてくれたり、色んな出来事を一緒に経験してきて、本当は優しい人だって知ったもんね。





次第に恭哉君と話せるのが嬉しくて、喧嘩をすると悲しくなって。





一緒にいる時間がすごく楽しい思い出になってたもんね。





相変らず私のことをからかってるみたいだけど、それで恭哉君の笑った顔が見られるなら、まあいっかって許せる気持ちになっちゃうし。