「七井、俺がなんだって?」


「あー…ごめん。なんでもないわ。余計なおせっかいだったね」


「余計なこと言わなくていいから」





あれ?この様子だともしかしてさっきの話、聞かれてない?


それならいいんだけど…。





2人の話についていけてない私は、未だそんな心配で頭を巡らせていた。





「だったら恭哉君から直接本人に言ってあげれば?」





そう言って美冬は何故か私へと視線を移す。





えっ私?


今なんの話してんだろ?


…全然聞いてなかった。





「別に、なんもねーよ」





恭哉君は私の頭を軽く叩くと、自分の席へと戻って行った。





「えっ、最後のなに!?ねえ、さっき言いかけてた言葉ってなんだった?」


「あー、恵那が恭哉君のこと好きって話?」


「ちょ!美冬!声大きいって!てゆーか、私そんなこと一言も言ってないだけど…!」





焦る私を見て美冬はクスクスと楽しそうに笑みを零す。





もーうっ…美冬まで私のことからかって楽しんでる…。