「俺のこと好きなんだろ?」なんて聞かれて、「はい、そーです」なんて簡単に言えたらこんなに悩まないよっ!





あんなの絶対からかってるだけだし…。


あの時はほんとにパニックになっちゃって、自分でもよく覚えてないし…。





美冬はやれやれとした表情を浮かべながらも優しく微笑む。





「そのままの勢いで告白しちゃえばよかったのに」


「こっ、告白!?しないよそんなの!」





ムリムリムリ…!絶対にムリ…!


そんなの絶対出来ないよ~…!





恭哉君に告白なんかしたところで、どうせ振られるのは分かってるし、笑われるのがオチだもん。





「恭哉君のこと好き、なんでしょ?」


「そ、それは…」


「…恵那の話を聞いてる限り、恭哉君は恵那のこと………あ」


「あ…?」





美冬の視線の先を追って後ろへと振り返ると、仁王立ちする恭哉君がいた。





「きょ、恭哉君…!」





突然の登場に嫌でも心臓がドキッとし、あからさまな態度を見せてしまう。





いっ、今の話、もしかして聞いてた…!?


もし聞かれてたら私…一生顔向けできないよ…!





しかし恭哉君は私のことなど目もくれず、美冬と淡々とした様子で話す。