「ふっ、ちょろいな」





そんな私を見て、恭哉君は心底楽しそうだった。





どこまでも私のこと、ばかにして…!





ちょっと自分がカッコいいからって…


絶対絶対許さないんだから…!





「じゃ、また明日」





鋭い視線を向ける私に、胡散臭いくらいの作り笑いを浮かべる恭哉君。





教室を出て行こうとする背中に、咄嗟に声をかけてしまった。





「なんで私にキスしたのっ!」





すると、恭哉君は振り返り「ん~」と悩む素振りを見せた。