恭哉君の声を聞くだけで、涙が溢れ出る。





…もうっ、泣かないって、決めたのに。





「泣くなら俺のとこに来い」





「…へ?」





思わず自分の耳を疑った。





いっ、今なんて…





「俺のとこに今すぐ来い」





それは、いつもの恭哉君の声だった。





私をからかうような声色で、でも優しくて暖かくて。





もう聞くことがないと思っていた、私へと向けられた声。